ジョニーデップ出演作品の中で、彼の個性を最大限に活かした傑作。
山高帽にお河童頭、稲妻化粧といったアウトロー的な紳士が似合うのは彼だけ。
テーマが「生と死」なだけあり、彼の表情が大切になってくる。
それ故、アップのカットが多く、ジョニーの微妙な表情の変化が読みとれる。
インテリジェンス漂う冒頭の物腰から、物語が進むにつれ野性的に移り変わっていくジョニーの変貌が素晴らしい。
そして、淡々とロードする物語をさらに侘び寂び的美しさで彩るのが、ニールヤングの即興ギター。
日本美のような自然観で構成されたこの映画はジャームッシュ監督が今まで撮った作品にはない類のものである。
その後「ゴースト・ドッグ」で武士道をテーマにし、あきらかに日本を意識した作品を撮ったが、日本美とまではいかない。
「デッドマン」で描かれる自然と人間の営み、インディアンの思想、どれもがアメリカンな、でかさの美学を表現しているようである。
しかし、構成は日本人好みの侘しく寂しい自然そのものの美しさが際立っている。決して豪華なキラキラした美しさではない。
余計なものを排除し、最小限の演出と脚本を逆に最大限活かすという日本美に溢れる「デッドマン」
洋画なのに上質な邦画を観た気がしますよ!