前作同様、アメリカの小説を翻訳したものを読んでいるような錯覚に陥りました。
だって、「可愛い俺のユウト」なんて、日本人には絶対言えない(笑)。「マイハニー」「マイダーリン」「マイディアー」の世界ですよ(赤面)!
単にFBI捜査官のテロリスト追跡ストーリーとしても十分に面白く、読ませてくれる骨太の物語。明らかによくあるBLものとは一線を画した作品です。高階佑先生のイラストもスタイリッシュで素晴らしくカッコイイ!店頭で買いやすく◎です。
物語は刑務所の中から外の世界へ。ユウトの日常からディックがいなくなり、再会するまで二人の間の独特の空気感が味わえないのが非常に寂しい。そこを埋めてくれるのが、繰り返し登場するユウトのディックと過ごした記憶、脇キャラの評するディック像だったりします。
束の間の逢瀬でラブは極少。でも、短い分印象的で愛情が伝わってきます。変に女性的な受けが多いBLの中にあって、ユウトとディックはちゃんと男性同士で愛し合っているリアリティーがあります。なのに描写が美しい!
次巻で完結ということですが、コルブス追跡、二人の愛の行方等々、物語がどこに帰結するのか想像がつかずハラハラ、ドキドキです。どちらかが生死の境を彷徨うことになったり、誰かが犠牲になったり、味方のひどい裏切りに遭ったりしないかと心配!
ユウトとディックが言葉にできず、けれど読者の誰もが知っている二人の想い。願わくは完結編ではしっかり伝え合えますように。そして次は、眩い金髪のディックとビーチハウスのある白い砂の上で…。