商品の名称に「デッカ」とありましたので、クラシックのよい録音を残している英国のレーベルのことかと思いましたが関係はないようです。音源はすべてドイツのテレフンケンによるものです。テレフンケンというレーベルのドイツ行進曲にかける意気込みを感じさせられます。レーベルは統一されていますが、もともと一貫したシリーズとして発売されたものではなく、それぞれの時代に、それぞれの企画で発売されたものが一つに集められたものなので、有名な曲は40枚あるCDのあちこちに出てきます。そうしたことも、軍楽隊や指揮者による演奏の違いによる楽しみを提供するものになっています。72ページに及ぶ解説書は、この膨大な曲集を聴きこなすための大きな助けになっています。曲の解説や演奏団体の紹介はもちろん、ドイツ行進曲の歴史や体系なども分かりやすく記されています。曲の解説や演奏団体の紹介などはかなり主観的なコメントが多いように思いましたが面白く読めます。音楽表現の特徴とかセンスともいうべきものは時代とともに変わってきます。この曲集に納められている1920年代から1970年代の演奏・録音は、よくもわるくもその時代のドイツ行進曲としての音楽表現の記録ともいうべきものです。ですから、聴きようによってはシンバルの音がきつく感じたり、ということがありますが、こうしたことも愛好家にとっては、これこそドイツの行進曲! あの時代の演奏ならでは! という聴き方になるのではないかと思います(私はそういう聴き方で楽しんでいます)。