単純に小説としてのみの評価はちょっとしにくいと思います.
他の方も書かれているとおりで,文字だけで何らかのドラマや盛り上がり,謎解き……といったことを期待しても,この本はあまり答えてくれないでしょう.
ところが,文字は非常に軽く,どんどん読み進めていくことはできます.物語が停滞するような場面もなく,純粋にドラマの台本を読んでいるかのような感じです.また,スピーディーにことが運んでいきますから,生きたり死んだり,という事実だけがどんどんと積み重なっていきます.子ども用のジェットコースターにでも乗っているかのような感覚と言えるでしょうか.
こういったものとして楽しむつもりで読めば,きっとそこそこの満足感とカタルシスを得られるのではないかと思います.もしくは,活字離れの進んだ,普段マンガしか読まない人たちが読書に挑戦するのに,良い本なのではないでしょうか.