偶然かどうか、似たようなシチュエーションのマンガがほぼ同時期に刊行されており、考えさせられました。
なにかもちがってますか(2)本作と、「なにかもちがってますか」は、いずれも超常的な力を持った主人公が、明確な目的意識もなく力を持て余していたところに、社会の変革を目指すパートナーが現れ、その目的のために力を振るうようになる…というもの。両作品とも、主人公は普通メン、パートナーはイケメンというところも共通していますねw
しかし、両作品の雰囲気は、一見して大きく異なります。デストロイは殺伐、もちがって、の方は何かまだのんびりしています。しかし本質的には、前者はまだ主人公による犠牲者はいないのですが、後者は死者が出ているというように、あまり変わりないのかもしれません。本巻以降、それぞれのストーリーの進む速度による差が大きくなってくるでしょう。
デストロイ、の方は、主人公の活動に大きな転機、というか変化が生じます。前巻最後に「ワンネス」としての活動声明を出し、政府・警察にも彼らを追う動きが生まれてきます。このあたりは、デスノートに似た展開かもしれません。
デスノートを含め、こういった超常の力で社会の変革を図る、というのは一度は誰もが憧れるものかもしれません。古くからある仮面ライダーなどの変身ヒーロー物、必殺仕掛人などの復讐代行系も、同じ範疇かもしれません。
しかし、明確に現代の社会システムの欠陥をテーマとしているところは、まさに今、現在の社会の鬱憤や閉塞感を反映したものでしょう。誰か、この世を何とかしてくれ、と皆が思っているが、今のシステムからはその救いが与えられそうもない。震災後はその意識はさらに強くなっていることでしょう。
歴史上、改革者が大きな力を得て、社会を大きく動かしたことがありました。しかし、残念ながら多くの改革者たちは、力を持った瞬間から為政者となり、さらなる改革を阻む存在と変節してしまいました。スターリン、毛、金…。今の日本政府もその中に入るかもしれません。本作では、改革者はこの後どうなってゆくのか。興味は尽きないところです。ストーリーの進捗も速く、一気に読ませます。
今巻は、またいいところで引き、です。「もちがって」での力とは異なる部分ですね。そういう意味では今だけのシンクロかもしれません。
是非、両作品ともお手にとってみてはいかがでしょうか。