もし、まだこの映画を未見で「観る前にアマゾンを参考にしようか」なんて思っている方がいらっしゃれば止めておいた方が良いでしょう。世の中には「何の予備知識も無く観たほうが良い」タイプの映画があり、例えば「シックスセンス」のような作品は、作品にかかわる重大なトリックを映画を観る前に知ってしまうことで、大幅に興をそがれてしまいます。そして大概、そういうネタばれはレビューに書かれていたりしますから・・・。
「デジャブ」とは「既視感」とも言い、初めて見た風景を「すでにどこかで体験した」かのように感じる事を言いますが、この作品の主人公、ダグ捜査官は映画の冒頭から中盤まで、いわゆる「デジャブ」と言われる違和感を持って物語を進めていくことになります。
冒頭の大爆発から、最新鋭の監視システムを駆使した捜査に至るまで、一見してジリジリと進行する「サスペンス映画」の様相を呈していますが、それはこの映画が持つ「表」の顔。あらゆるシーンにちりばめられた伏線が、後に主人公が感じる「デジャブ」の正体となって姿を現す後半がこの映画の「真の物語」だったりします。評価が分かれるのはまさにこの部分で、骨太の本格刑事モノ映画を期待していた人は裏切られた気持ちになるかも。
その緻密な構成は、とにかく秀逸。多少強引でも、観ていてグイグイと引きこまれるし、裏の裏を行くストーリー展開に全く飽きはきません。とはいえ、プロットの複雑さ故、すべてを理解しながら鑑賞するには疲れるし、終盤、ストーリー上の突っ込みどころがあるのは否めません。
野球で言えば、この映画は物凄い変化球。その球筋の変化幅は反則とも思えるほどですが、秀逸なエンターテイメント映画であることは確かです。だからこそ、できるだけ少ない事前知識で鑑賞することをお奨めします。