焦点は,ディジタル時代の公共放送事業者であるNHKのいく方向,つまり,「BSディジタル放送の普及」の一点にある。そのための経営基盤のあり方,ハイビジョン時代への布石,改革と実行,公開と参加,放送の研究・開発と社会・国際貢献などのテーマに対して,海老沢会長は抑制の利いた発言をもって明解に答えている。
この発言の論旨の根幹は,「NHKのオーナーは日本国民なのです」という公共理念にある。そして,放送人・海老沢勝二の発想とは,「私はハイビジョンの伝道師」と自ら語るように,数々の発想とその人となりが垣間見られ,文化人としての見識がさりげなく迫ってくる。新しいNHKの全貌が分かりやすくとらえられている。歴代NHK会長では初めて出版するNHK論でもある。 (ブックレビュー社)
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