日本のデジタルカメラの始まりの年について本書を読み始めた時、「?」と思いました。1981年発表のSONYの電子スチルカメラ「マビカ」を思い出したことによりますが、その画像記録方式はアナログで、デジタルでの記録は富士フィルムが1988年に発売のFUJIX DS-1Pからであり、本書のデジタルカメラ元年の意味が理解できました。
本書はマビカも含めて市場に登場したデジタルカメラ製品の技術的特徴を年代に沿って解説するもので、デジタルカメラの技術史という面も感じます。解説されるデジタルカメラの中でよく知っているものがあることから「これではなく、もうひとつ前のこのカメラでは・・」と若干、正確性が気になる部分もありますが、新製品として登場するカメラの数が圧倒的に多いことも一因になっているかもしれません。
コンパクトデジタルカメラの編の解説までは力が入っているように思えますが、デジタル一眼レフカメラの編に入ると息切れしてしまったかのような内容です。最後の「Web2.0」を意識した本書の題名とも関係ある編は「あれもある、これもある」といった感じで散漫で少々まとまりに欠けているように思われます。
ストレートに「デジタルカメラの歴史、そして将来」といった題名として内容を整理した方がまとまりがよかったのではないかと思います。