とにかくオープニングタイトルが秀逸。
デクスターが朝、目覚めてから自宅を出るまでの模様がスプラッタホラーばりの描写で描かれていて、不思議な音楽と合せてすごいインパクト。
マイアミ警察の優秀な血痕分析官、デクスター・モーガンは法の網をくぐり抜ける悪党たちを趣味で抹殺するシリアル・キラーだった!
そんな「快楽殺人者」を主役に据えた前代未聞のドラマです。
実際、モラルの面からこのドラマを批判する向きもあるようです。
ただし、このドラマはデクスターの特異な「性向」に焦点を当てた猟奇ドラマではありません。
デクスターは警官であった養父、ハリーから愛情と危険な衝動をコントロールする術を与えられます。
そして耐え切れなくなった時にその殺人衝動をどこに向けるべきなのかも。
ハリーの死後もデクスターはその教えにしたがってどうにか心の均衡を保っているのです。
そんな彼の前に「冷凍トラックキラー」と呼ばれる快楽殺人者が出現。
「獲物」として犯人を追うデクスター、そして何故かそれに呼応するアイストラックキラー。
この両者が対峙した時、物語は壮絶なクライマックスに向かって行くのですが・・・。
デクスターは社会に適応する術を身につけておりますがそれはあくまでも仮の姿に過ぎません。
その仮面の下に潜む「怪物」こそが彼の本性であり、その偽りの生活に苦しみ、アイデンティティの危機に直面する彼の姿こそが真のテーマ。
毎回デクスターのモノローグが大きくフィーチャーされているのですが時にシニカル、時にユーモアたっぷりなその語り口には驚かされます。
猟奇的な展開をはらみつつも根の部分ではきっちりとキャラクターを中心に据えた「ドラマ」となっていて見ごたえがあります。
こういう大人目線の異色の娯楽作もアメリカならではだと思います。
おススメ。