非常に実用的で読みやすい香水入門書です。
ファッション関係の本は、著者のこだわりをくどくど語った本や、うんちく語りに偏りがちであったり、実用として書かれていても「正統派」「ヨーロッパの伝統」といった考え方の縛りが多く、敷居が高くなってしまう向きがありますが、本書はそうでなく、香水との付き合い方、活用の仕方に関する具体的なノウハウを簡潔にまとめてあるのがポイントです。ファッション雑誌でも香水の記事はありますが、「香水のいろは」を体系的に、とっつきやすい形でまとめた本は皆無なので(特に男性用は)、手元に一冊あるととても便利です。
また2章では、フゼア系、シプレ系など、代表的な香りの種類と、それぞれの種類で名香といわれる香水を紹介し、その特徴や香りからイメージされる男性像などが書かれていますが、自分や友人の性格と照らして読めば性格診断のように楽しく読めるし、各章の間にある「香水Q&A」も面白く、著者のサービス精神を感じます。
やはり最も秀逸なのは6章、7章にある、服装と香水のコーディネイト例をイラスト、写真付きで載せている箇所です。シチュエーション、職種、ファッションなど、TPOに分けた香水の提案は非常に具体的で、香水選びの参考になります。自分の好きなにおいはわかっても、服装のように、TPOで香水を選ぶような使い方をできていないので、この本があれば、香水選びもぐっと楽しくなると思います。