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デカルト、ホッブズ、スピノザ  哲学する十七世紀 (講談社学術文庫)
 
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デカルト、ホッブズ、スピノザ  哲学する十七世紀 (講談社学術文庫) [文庫]

上野 修
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

近代の土台となった哲学を再検証する力作。神と国家は、現代社会においても根本的な問題ですが、近代が始まろうとする17世紀においても、同じく重大な問題でした。それに真正面から取り組んだ哲学とは。

内容(「BOOK」データベースより)

近代哲学の祖とされ、「心身二元論」に拠ったデカルト。国家契約説をとなえ、「万人の万人に対する戦争」で知られるホッブズ。「神即自然」を主張したスピノザ。十七世紀の哲学シーンを彩る三人の思索は、動乱期のヨーロッパを生きたゆえの魅力にあふれている。神、国家、物体と精神…、根本問題をめぐる三様の思索を、鮮やかに浮き彫りにする。

登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/10/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 406292076X
  • ISBN-13: 978-4062920766
  • 発売日: 2011/10/13
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
上野修によるこの『デカルト、ホッブズ、スピノザ  哲学する十七世紀』という書物は、タイトルに「デカルト、ホッブス、スピノザ」とあるが、デカルトとホッブズはおまけであり、「スピノザ本」と割り切ったほうがよいと思う。

本書は九つの章より成る。すなわち

第一章 残りの者―あるいはホッブズ契約説のパラドックスとスピノザ
第二章 遺志・徴そして事後―ホッブズの意志論
第三章 スピノザと敬虔の文法―『神学政治論』の「普遍的信仰の教義」をめぐって
第四章 スピノザの聖書解説―神学と哲学の分離と一致
第五章 われらに似たるもの―スピノザによる想像的自我およびその分身と欲望
第六章 精神の眼は論証そのもの―スピノザ『エチカ』における享楽と論証
第七章 デカルトにおける物体の概念
第八章 無数に異なる同じもの―スピノザの実体論
第九章 スピノザの今日、声の彼方へ

である。

いかがであろうか。デカルト単体、ホッブズ単体で扱われているのは九章中ふたつの章だけであり、残りはすべてスピノザにかかわるものである。

しかし本書で上野修が展開しているスピノザ論が易しいものかと言えば、そうでもない。いずれも専門性の高い「お硬い」学術誌に寄せられた歴とした論文である。「噛み砕かれた」ものではなく「噛み応えのある」ものである。九本の独立した論文から構成されているために、少しばらつきが感じられるかもしれないが、文庫版刊行に当たり、若干の加筆・修正がなされたらしいよ。

また上野氏のスピノザ解釈であるが、どちらかと言えば「あたらしい」ものであり、ドゥルーズ、ラカンなどといったいわゆる「現代思想」の論説がかなり参照・援用されている。ドゥルーズは哲学史家として『スピノザと表現の問題』や『スピノザ―実践の哲学』を著している。また「Spinoza : immortalite et eternitte」というドゥルーズの講義を録音した二枚組みのCDもある。他にレオ・シュトラウスやメラニー・クラインの名前も散見される。

本書は、スピノザの『エチカ』や『神学政治論』を読解するための副読書としては「帯に短し襷に長し」といった感じであり、入門書としては「やや難」のレヴェルである。巻末に〔注〕が附されてはいるが、一般読者の理解を助けうるものでは、決して無い、プロ仕様のものである。

しかし著者の上野氏は、基本的に、かようなヤヤコシイ本を書くような先生ではなく、どちらかと言えば、むしろ、クリアカットな本を書かせたら実に巧い人である。例えば上野著『スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか』や『スピノザの世界―神あるいは自然』などは、スピノザ解釈のアンチョコ本としては大変よく出来ている。前者はあまりにも簡単に淡白に書かれすぎているために肩透かしを喰らうかもしれないが、後者は「いい仕事してますね」といった感じの良書であり、「さすがは講談社現代新書であるなあ」と感嘆してしまうほどの出来栄えである。

本書は、『エチカ』などのスピノザの主著や他の「上野スピノザ本」を読むなどして、ある程度スピノザの思想を理解した上で読んだほうがよりいっそう楽しめるものではないだろうか。
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15 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
題名を見ると、デカルト、ホッブス、スピノザの3人の思想家について、彼らの思想を紹介する本、をイメージするが、実際は少し違う。
この本の内容は、ほとんどがスピノザに関するものである。筆者がスピノザを主に研究対象にしているからであろう。
序文を除いて、9つの章のうち、デカルトとホッブスについての章はそれぞれ1つづつ。後はスピノザについての内容になっている。スピノザについての文章の中に、デカルトとホッブスも登場するが、脇役的な存在だ。
上野は、この3人の哲学者に共通する要素は機械論であったという。キリスト教の影響から徐々に離脱しつつある17世紀において、神のいない世界における仕組みを説明するにあたり、この世界を独立した機械として構想する必要があった。
そもそもが、比較した安定した時代の人間が、自分の頭(理性)で考え始めれば、自然に世界を秩序を持った機械あるいはシステムと考えるのは、特段不思議な事ではないだろう。
しかし、ヨーロッパの社会が不安定になるつけて、そうした機械論が説得力をもたなくなるのは当然だろう。この3人の思想家から、学ぶ事は勿論多々あるが、哲学という学問の時代性をあらためて感じた。
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