人は誰でも悩みをもっています。仕事のこと、家族のこと、健康のことなど、生きていくかぎり悩みのない人はいません。
人生とは悩みの克服過程ともいえるでしょう。
そのような悩みを乗り越えようとする時、相談相手となってくれる家族や仲間、専門のカウンセラーの存在は
大きな力となります。
しかし悩みの中には、人にも言えず、解決法も分からず、ただ一人で悶々と苦しんでしまうような性質のものもあります。
自分の身体像に関する悩みには、特にそのような傾向があります。
ある青春の一時期に自分の容姿に劣等感を抱いた人は多いでしょう。
でも、そのような悩みのほとんどは自然に消えてしまうものです。
なぜなら、人は成長とともに、人生の価値や存在意義はもっと他にあることを知るからです。
ところが、同じ体に関する悩みでも、年月が経ち、社会生活の範囲が広がっていくにつれて、
それだけ増大するような悩みもあります。
その代表的なものが、ワキガ臭などの「体臭」に関する悩みです。
自己の体臭で悩む人は、自分で自分のニオイが嫌だと悩むのでなく、「自分のニオイで他人に迷惑をかけている」と
責任を感じて悩んでいるのです。
いくら鼻が低かろうが、足が短かろうが、そのことで人に迷惑がかかると悩む人はいないでしょう。
そのような言葉を人からかけられたとしても、不愉快ではあるけれど、自分のすべての人格が傷つけられたと
感じるわけではありません。それは、外見のごく一部の属性を卑下されたにすぎないからです。
多汗の悩みも同様です。汗で悩む人は、生理的な汗を自分自身で「汚い」と感じてしまい、
そのことで「他人に不快感を与えてしまう」と自己嫌悪を抱いているのです。
体臭多汗治療の目的は、単にニオイを消し、汗を減らすことではなく、そのことで消極的な「自己イメージ」を変革して、
前向きで積極的な生き方ができるようにすることなのです。
このような自己意識の変革によって社会性が回復されるならば、それは「デオドラント革命」と呼んでもよいでしょう。
今回の改訂版では、加齢臭やダイエット臭等の新しい話題を大幅に加筆しています。
この本を「革命」を指南する本、などと大げさに捉えなくても、体のニオイを健康のバロメーターと考えた健康書、
として読んでいただくのもよいでしょう。
さらにこの本では、体臭多汗の最新の治療法も紹介しています。
治療法の選択肢の幅が広がったことで、自分に最も適した解決法を見出しやすくなったと思います。