個人的には第一編の思考の迷路に迷い込む前に、この第三篇を読んでみることをおススメします。懐疑論者として名高いヒュームが、実は正義の体系の導出を試みていたことが分かります。
人間を、利己的だけれども共感をもった存在として捉え、そこから社会の生成について考察し、ひいては正義の体系を導出します。ホッブズよりもはるかに現代的感覚に合致しており、それでいて興味深い正義の体系が築かれています。
「人性論」の訳はとても古く読みにくいですが、本書は何とか我慢して読めます。思想に興味のある方はホッブズやロックやルソーの社会契約論も読んで、それと比べて見ると面白いと思います。近年読んだ中で、最も面白かったものの一つでした。