前作「哀歌」が素晴らしい作品だったので、今回も期待度は大きかったし、ましてやパーカー集。今パーカーナンバーをいろいろと練習している僕にとってはジャストなタイミングでの新作だった。テナー吹きがテナーのままでパーカートリビュート作品というのはあまり聞いたことがない。
本作を聴いてみるとやっぱり川嶋哲郎をパーカーという枠にはめてしまうと、ちょっと窮屈に感じた。プレイが退屈という訳ではないのだが、彼の豪快かつメロディを紡ぎ続けるという持ち味がバップチューンといまいち馴染まないような気がしてならなかった。また、オリジナル曲との差があまりに大きすぎるかなぁと。
収録時間も短めで「えぇ、もう終わり??」と。フルコースを期待していたのに、ラーメン一杯で終わったという感じ。ラーメンも美味しいのだが、ちょっと物足りない気がした。
それでもパーカーチューンをいつもの川嶋哲郎というフィルターを通して聴くと、やっぱり彼の音がするし、哀歌に会ったような哀愁も感じられる。ピアニストの吉田桂一が白眉で、本当にバップが好きなんだなぁというプレイがよかった。ドラムの菅原君もチュニジアではフィーチャーされ、最近共演機会の多い川嶋哲郎との相性も素晴らしい。
やっぱり川嶋哲郎は稀有なメロディメーカーだと思わせる1枚。お勧めです。