ビーチャムがその晩年英EMIに残したステレオ録音のディーリアス作品は
LPにして約2.8枚分。CDにすると2枚に全て収まってしまう。録音順に
最初の録音は小品集に含まれていた2作品。シベリウス、ドボルザーク
などと共に【イルメリン前奏曲】と【夏の夕べ】がおさまっていた。
そして次が本格的にディーリアスにとりくんだの2枚のアルバムが続く。
そして最後には遺作となった【日没の歌】が録音されている。しかし
この録音は生前ビーチャム自身がOKを出さなかったもの。彼の死後に
追悼盤としてバントックなどの作品とカップリングされて発売された。
一時はモノラル盤で出され、その後ステレオ盤でも発売されるという奇妙
な経緯を持つ。
投稿にあるようにこのEMIのリマスター1枚盤では最後にフロリダ組曲より
【カリンダ】などが含まれていて、少々違和感がありますが、この理由は
ビーチャムはフェンビーのアレンジしたカリンダ舞曲を余り振りたがら
なかったのが原因で【カリンダ】をいれようにも【フロリダ組曲】からの
抜粋しか録音が無かった為です。まるで晩年のディーリアスを助けた
フェンビーに対抗するが如く、ビーチャムはディーリアスの初期の作品に
入れ込み、【フロリダ組曲】を改訂したり、【マルシュ・カプリース】、
【夏の夕べ】などをセットで改訂した。彼はこの2曲をセットにして
考えていた為、3つの小品として知られている作品ではありますが、
なぜか【春の朝】は彼の好みには合わなかったようで演奏していません。
逆に【丘を越えてはるかに】などはそれこそ演奏会でも頻繁に演奏して
いました。つまりフェンビーの息のかかった後期の作品にはあえて関心を
持たなかったかのように振まっていたのです。(この事は今も謎です)
以前もこの2枚組からの抜粋盤が出ていましたが、今回はCDという事で
サービスとして付け加えられたようですので誤解の無いように。