この本は昭和62年1月に成山堂書店から刊行された
「ビギナーのヨット教室テキスト」を発展させて、
1997年に改組された国際セイリング連盟(ISAF)による
国際セイリング競技規則の大改訂に準拠したものですが、
それ以後ISAFによるルールの見直しや修正が、オリンピックに対応して4年毎に行われるようになりましたので、
今回は2009~2012年に適用される規則に沿うよう一部改訂致しました。
また、近年内容が充実したヨット教室が開催されるチャンスが少なくなり、
同時に一人乗りのキャット・リグ艇が増えてきましたので、
独学で初歩から理論と実技をバランスよく修得できるよう配慮しました。
内容が確実に身につけば、中級程度のレースにも十二分に参加できる程にグレード・アップされています。
ディンギー・ヨットの楽しみ方はレースに限られたものではなく、
小さなディンギーでヨット・ハーバーから入江へ、海岸へ、
さらに川をさかのぼって街の中へと、ディンギーならではのクルージングを楽しむこともできます。
しかし、どんな遊び方をするにしても、操船技術の向上と豊富な知識の修得が、
ヨッティングの安全性と快適性を高めます。
将来は、大きなクルーザーで外洋クルージングをと思っている人でも、
まず最初にディンギー・ヨットをある程度マスターすることが、重要なステップです。
セイリングの基本的な技術と知識を身につけて、
さらにセイリングのセオリーを身体で体験するには、
反応が敏感なディンギー・ヨットでの練習が最適なのです。
そうして会得した帆走のフィーリングが、クルーザーの操船を合理的で無理のない安全なものにします。
ディンギー・セイリングが、すべてのボーディングの基礎だと言えるでしょう。
上達の秘訣は、練習目標を設定して、一回でも多く、実際にヨットに乗ることです。
ウェット・スーツやドライ・スーツやインナー・ウェアーなどの開発と普及で、
今では真冬に水を浴びながら時には転覆しながらもセイリングが楽しめるようになりました。
海や湖川が凍りつかない限り、ヨッティングにシーズン・オフはありません。
もちろん、練習には仲間がいた方が、より楽しく、安全で効果的です。
また、仲間同士の議論は上達の有力なステップです。大いに議論して下さい。