73年の作品。監督はR・クローズ。やはりDVDであってもカンフー映画の古典としては拭いきれないが、B・リーの魅力は今尚健在である。
開巻からのアクション対決。つわものを倒したリーのこれまた体操選手並みのアクロバット宙返りが鮮やかに決まる。まずは只者ではないことを見事に観客に訴えている。その後、師範からミッションを受けるが、たまたまそこを訪れてきた青年とのちょっとした場面が粋である。リーがハリウッドでここまで成功したことの所以を心を込めてその青年に力説しているようである。台詞の一つ一つに全く隙がない。
以後、有名なタイトルの音楽からして、お話としては『007』を東洋の思想とやや凄惨な歴史を交えて容易にカンフー調にアレンジした感があるが、そこはリーの渾身のアクションがすべてを覆い尽くす。彼の一連の活劇場面に陶酔されてしまう。特に、僅かなヌンチャク・シーンは最大の見せ場であろう。そして、後半の島中で繰り広げられる大乱闘と、最後のキエンとのガラス部屋での死闘。何が彼をここまで躍起にさせたのか?
そして映画とは関係ないが、ここまで極めてしまった男の早過ぎる死も考えざるを得なかったのも事実である。誠に不思議(?)な男であった。