個人的には『センシュアル・ワールド』、『レッド・シューズ』の両アルバムを嫌っていました。というのも、音の作りが刺々していたのと、曲に魅力を感じなかったためです。
さて今回、再録音をされた曲を聴きなおして私はすっかり魅了されました。まあ、人によっては『声に以前のような力を感じられないため、曲が衰えて聴こえる』だの、『何年も待たされて再録かよ』みたいな意見もありますが、『Aerial』の雰囲気、ケイトの歴史を重ねた声の温かみに満足した人には好盤です(ただ、自分も1曲目の低い囁き声には最初悪い意味でびっくりしました)。
このアルバムを買うのも躊躇されている方が多いと思われますが、それは発売形態、国内か輸入盤かの問題でしょう。
国内盤の利点としては、雑誌Strange Daysの岩本さんによる非常に詳細なケイトのデビューから今に至るまでの歴史解説、メンバー情報と山下えりかさんの新たな翻訳でしょう。翻訳は他の方が以前にやったものよりもこなれていて良いです。『UK公式プレス・リリース訳』は2ページくらいの特にありがたみのない情報なので、ファンサイトを調べた方が良いと思います。
あと、3枚組みになったものは『センシュアル・ワールド』、『レッド・シューズ』をデジタル加工する前のマスターテープからの音源をリマスターしたものだそうです。ケイト曰くエッジィな音が嫌いだったとか。こちらのタイプは買っていないので評価できませんが、アルバムを持っていない方にはお勧めかも。
とどのつまり、ケイトの詳細な歴史について興味もなく、大体のことは音楽雑誌や今までのアルバムのブックレットで知ってますって方は、マスターテープからの音源をリマスターした2枚がついた輸入盤を買うのが良いと思います。俺もそっち買えばよかった。
追記:このアルバムは大分癖になります。久しぶりにニック・ドレイクのアルバム並みに繰り返し聞きました。そして、『センシュアル・ワールド』は本当に良いアルバムだなあと、ようやっと理解しました(その次のは好きじゃないけど)。