CGが多用されるようになり、アクション映画においてもスタントよりCGの駆使が一般的になった現代。そんな今だからだこそ、この映画は観る価値のある貴重な1本。現代のアクション映画は銃撃戦だけでなく、車や飛行機や何でも吹っ飛ばす派手なアクションが横行しているが、何故かリアルさがなく軽い感じがする。この「ワイルドバンチ」という映画はアクションシーンに重みとリアルさ、そして美しさと哀しみが同居している。アクションの中心は銃撃戦だが、カット割りが見事すぎて震えてしまうほど。映画が始まってすぐに「まさに地獄」(当時若かったボー・ホプキンスから発せられる言葉どおり)の銃撃戦では、撃たれて屋根から人が落ちるシーンをスローモーションでしかも地上に達するまでの間に、他の銃撃戦のカットを通常のスピードで差し込む等アクションスピードのコントロールを編集技術を駆使して自在に行う。まさに、これは神業といってよいだろう。
死者まで出したといわれる、橋の爆破シーンは思わず息をのむリアルさ。そして伝説のラストの対決に...アクションには度肝を抜かれるばかり。
でも、この映画の凄さはアクションだけではない。時代の移り変わりに取り残された男達の哀愁が会話一つ一つから伝わってくる(ラストの対決前のウィリアム・ホールデンとウォーレン・オーツの「Let's go」「Why not」という短いやり取りのシーンだけでも男達の決意が伝わってくる)。映画を観終わった後、何故か悲しくなってしまうのは私だけだろうか(何度観てもそうなるのだ)。
今の時代のアクション映画に満足できない人には是非観て欲しい作品だ。
ところで、このスペシャル・エディションの音声は何故か英語とポルトガル語なのだが、製作者の意図は何なのだろうか。日本語吹替えをつけても良かったのでは...