"すべてはコラージュだ。私たちが何をつくるのか、なぜつくるのか、どんな人に惹かれるのか、なぜ忘れることができないのか。すべてはコラージュであり、遺伝でさえそうなのだ。私たちの中には他人が隠れている。短期間しか知らなかった人さえ隠れていて私たちは死ぬまでそれを抱え続ける。国境を越えるたびに、それを自分の中に封じ込める。"(訳者あとがきの中のinterviewより)
時空も超えて、一見関係もない人々の話が紡ぎだされるが、場面を読み込むとその時々の登場人物の思いが関係した人の中に生き続け次の世代に伝わっていくのがわかる。ある人間関係が、次の世代の別の人間関係に投影されている。自分自身の形成に関わった人たちの顔が思い浮かぶ、会ったこともない人もいるはず、などと自分の来し方を考えてしまう。
極上の読書体験です。"English patient"を読んだ方も読んでない方も、詩的な世界を堪能してください。