この作品は、巨額の不正経理・不正取引が明るみなって2001年12月に破綻に追い込まれたエンロン社の事件を背景にして、再リメイクされた話のようです。まだ記憶が新しい事件が背景にあることもあってか、倒産後に失業して家族を抱えるディック達の苦しみが切実に伝わってきます。特に、妻の為に彼方此方から芝生を盗んでくる姿は心に残ります。真面目な人間が追い込まれ、フラッペ一杯の飲み逃げから正真正銘の強盗にまで行為を発展させる心理状態がよく表現されており、ディック達に感情移入できます。倒産に責任ある最高責任者がのうのうと暮らし、末端の人間たちが保険ももらえず生活の為に法を犯さざるをえない姿は、ジムキャリーの珠玉の体当たり芸を映画各所にちりばめたとしても、笑うに笑えない虚しささえ感じさせ、考えさせられものがあります。しかし、作品全体としては、ジムの演技等のコメディの要素とシリアスな背景のストーリーを上手く融合させているので楽しむことが出来ました。また、ティア・レオ―ニが明るく素敵な奥さんを演じており、ジムとのかけあいも自然で印象に残りました。
過去のジムのコメディ作品ほどは内容が内容だけに笑ってばかりいられないところもありますが、やはりジムキャリーならではの芸はシリアスな内容だけに映えますし、満足できます。