1999年4月に発生したコロンバイン高校銃乱射事件を、
実際の映像・再現ドラマと関係者証言で振り返るドキュメンタリー。
46分という短い時間の中で、議論になりそうな部分(宗教・人種問題、銃の入手方法等)を慎重に避けつつ、
事件の全体像(背景〜前兆〜発生〜経過)が非常にうまくまとめられています。
“関係者証言”の人選が、生徒側に偏っていて、警察・学校等、“オフィシャル”な立場の
関係者が含まれていないことが多少気になりますが、事件後、警察の事前捜査ミス・初動の
遅れや学校の校内ヒエラルキー問題放置等に批判が集まったことを考えると、
仕方のないことなのかもしれません。
“コロンバイン”を扱ったドキュメンタリーとしては、
マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」が有名ですが、
同作品は“コロンバイン”というより、銃規制問題に焦点をしぼったものであるため、
事件そのものに関心のある方に対しては、こちらをお勧めいたします。
なお、日本語版について気になった点がひとつ。
犯人の少年達が着用していたTシャツが大写しになる場面で、
その胸の文字“Natural Selection”(自然淘汰)、“Wrath”(怒り)が
日本語訳出されていませんでした。
これらの言葉は、彼らの動機を表す重要なキーワードであるため(それ故に、クローズアップで撮影されている)、
日本語字幕が付されるべきではないでしょうか。
(少年達のあだ名等、事件の本質とあまり関係の無い部分が省略されるのは
やむを得ないと思われますが)
ちなみに、再現ドラマ部分で主犯格の少年を演じている俳優の方は、
同じ「ZERO HOUR」シリーズでオクラホマ州連邦政府ビル爆破事件の主犯役も務めていらっしゃいます。
米国では、こういうタイプが“犯人顔”ということなのでしょうか?