小説らしくないタイトルと、表紙の完璧な紺碧のディスカスに釣られて購入。
私自身、熱帯魚をはじめたばかり(といっても小型水槽で楽しんでいる程度)で、
興味をそそられたこともある。
突然、ディスカスの飼育(繁殖)に目覚めてしまった主人公。
その真摯でマニアな態度に付いていけなくなって、主人公のもとを離れた恋人。
水換えやら餌やりやら、熱帯魚飼育に手を染めたものならばおなじみの作業を描写する中に、
元恋人との思い出が綴られていく。
ディスカス繁殖に賭ける主人公の態度は鬼神迫るものがあり、迫力満点であるが、
恋人よりも魚を選んだ人間にしては、別れた恋人(の面影、幻聴?幻想?)に頼りすぎている。
そこには、前作の「パイロットフィッシュ」の感想もそうだったが、
男から見た都合の良い恋愛が見え隠れする。
前作ではそれが鼻について離れなかったが、
本作では、主人公の半ば妄想の世界だからまだ良しとする。
ちなみに我が家の冷凍庫にも冷凍赤虫が住んでいて、
それでも私の相方はその中に入っていたアイスクリームは平気で食べる(笑。