やっぱりドキュメンタリーほど記憶に残って食い入る様に見てしまうものはない。本作品を見てつくづく思いました。グラミー賞も受賞している、全世界的に有名な3人組のカントリー・ミュージックのガールズグループ「ディクシー・チックス」。2003年12月24日、まさに当時のブッシュ大統領がイラクは大量破壊兵器を所有しているとの大義の元に開戦ムードが高まっているときにそれは起こる。世界ツアーでのイギリスのコンサート中に、メンバーの1人ナタリーがステージから「合衆国大統領が同郷で恥ずかしいわ」と発言したことから大問題に。アメリカでは発言を歪曲して伝えられ、非国民扱いされ、ラジオでは曲を放送されず、ラジオ局の前にはディクシー・チックスのCD廃棄箱まで設置。愛国者と呼ばれる人たちが主導してCDは破壊され、スポンサー商品やCDの不買運動を起こされ、左翼扱いされるし脅迫状や殺人予告までされる。見ているうちに「なぜここまで」ととても悲しい気持ちになるのと、アメリカの「愛国心」という名の言論封殺の恐ろしさを感じる。ディクシー・チックスのコンサート会場は厳戒な警備をしかれてCDの売り上げはガタ落ち。この騒動はイラクは大量破壊兵器など所有しておらず、ブッシュ大統領の支持率が大きく落ち込むまで続くことになる。本作は騒動の最初からをずっと追い続けるのだが、グループ内の対立は一切起きていなかった。むしろ騒動が治まっても発言をしたナタリーを心配して涙するメンバーを見たときはその結束力の強さにもらい泣きをしてしまいそうになった。そしてカントリーの苦手なわたしでも本編のコンサート場面などに流れ続けるディクシー・チックスの曲に惚れてしまうのです。本作品はとてもお勧めです。