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29 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ヴェトナム戦後世代がリアルを追求したらコーなった、みたいな,
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レビュー対象商品: ディエンビエンフー (100%コミックス) (コミック)
「Comic新現実」に連載された♯1から♯5(修正あり)に、描き下ろしのPrologueと♯6を加えた。ただし「Comic新現実」vol.6に発表された、本書の前史を描いた特別編は未収録。続編を執筆予定らしいので、そちらに組み込まれるのかな。「話が見えない!」と賛否両論ある様子だけど、作者はもともとワケ分からん戦争状況で人がバタバタ死んでいく世界を描いてきたんだから、何をいまさら。作者は巻頭にオブライエンの言葉を掲げた上で、これを「描くという行為そのものが真実を覆い隠す」と解釈してみせる。だから敢えて「馬鹿みたいな嘘」ばかりを描いてみる、と(あとがき)。表現についての至極まっとうな態度だと思う。「リアルはどこにある!?」って。 ヴェトナム戦争を2頭身や3頭身の「かわいい」キャラで描けるのか! って声もあるみたいだけど、この話をかわぐちかいじで読みたい? コントラストの強い切り絵みたいなタッチから私が想起するのは、藤子不二雄Aの『劇画毛沢東伝』(1971)。ある種の緊迫感から生まれてくるスタイルなのではないでしょうか。 でも、それにしても、なぜヴェトナム戦争? 私は作者が1974年生まれってところに注目したい。前年は米軍が完全撤退した年で、実質的には南の敗戦の年。その後のサイゴン陥落、南北統一は余談。だからPrologueは「Coda 1973」なワケですね。つまり世界史的に見て、作者は「ヴェトナム戦後世代」。そして「イラク戦中派」ってことにも、なる。軍隊を出張させているのは、同じアメリカ。 「戦時下」にこだわる大塚英志が自分の雑誌に西島をフィーチャーしたのは、編集者として実に適切な判断だったと思います。
22 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
戦争の中で出逢った少女と少年,
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レビュー対象商品: ディエンビエンフー (100%コミックス) (コミック)
帯には【世界一かわいい、ベトナム戦争】とあります。恥ずかしながら作者・作品について全く知らず、ましてタイトルなんて「ベトナム戦争というのだからベトナムの単語に違いない」と、表紙の女の子に惹かれて購入したのでした(ちなみにタイトルの意味はネットで調べましたヨ)。戦争の中で出逢ったアメリカ軍の少年とベトナムゲリラの少女。絵柄はカワイイのに、首はふっ飛び、死体が腐るそんな悲惨な中で二人の不思議な関係が淡々と綴られていきます。でも戦争って何だっけと考えたくなるような気持ちも心にじわんと湧いてくる、不思議な本でした。
18 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
嘘が本当を語る,
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レビュー対象商品: ディエンビエンフー (100%コミックス) (コミック)
「世界一かわいいベトナム戦争」というフレーズが目にとまった。かわいいという形容詞がまさか戦争という言葉とくっつくのか?しかしくっついてしまったのが「ディエンビエンフー」なのだ。自分はベトナム戦争がどういう戦争かなんて知らずただ知識として知っている程度だった。その上さして興味もない歴史だった。 正直難しいことは分からない。複雑に掘り下げた感想は書けない。けどこのファンシーな絵がやわらかく読ませてくれた気がする。普通は戦争を描くとき、リアルに描くことで説得力が増すものだと思ってたが、逆に二頭身のキャラクターや絵本のような画風を使うことで伝わりやすくなる。なるほど、そうか。しかしやはり、血は出るし内蔵も出るし人も死ぬ。大事なところがちゃんと描かれている。これすごくいいと思う。戦争を知らない、体験談なんて語れない漫画家にとって、実際にあった戦争を描くにはこういうほうがいいのかもしれない。自分のように無学な人も読もうと思ったし。それだけで意味がある漫画だ。 この物語は別に戦争の悲惨さを訴えるものでもなければ歴史絵巻でもない。事実もとに描かれれど真実はない。ただのグロかわいい不思議な漫画だ。あとがきにも書いてあるとおり本当のことは分からないのだ。それでもなお感慨深く感じるのは戦争の持つ力か、作者の表現力か。 きっと両方なのだろうと思う。
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