相変わらず単語は難解ではないのに文章が難解というドゥルーズ節全開だが、パルネが担当したと思しき部分が比較的素直な文章で、ちょっとした「ドゥルーズ入門」になっている。何回か読み返しているうちにドゥルーズのキーワード・・・主体ではなく出来事、「ある」ではなく「と」、国家装置より戦争機械、欠如のある欲望ではなく欠如のない欲望、逃走線、脱領土化と再領土化、動かないノマド、連続と切断・・・などが理解されてくる。もちろん、ドゥルーズの思想をこのような二項対立のように併記しては理解したことにはならないのだろうが。
この本でもっとも評者の印象に残ったのは「母国語を外国語のように話すこと」という文章である。ドゥルーズの文体自体をとても適切に表現していると思う。思想と文体の一致。だからこそドゥルーズは難解なのかもしれない。
異質なものを排除せず、水平に非連続に継ぎ足していく。この魅力的な思想に、わずか1000円程度で300ページもしない文庫で触れることができる!