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テーブルの上のファーブル
 
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テーブルの上のファーブル [単行本]

クラフト・エヴィング商會 , 坂本 真典
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,575 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

雑誌のようで、絵本のようで雑誌でも絵本でもない。クラフト・エヴィング商会のつくるあたらしい本のスタイル。

内容(「MARC」データベースより)

すべては机上の空論から、すなわちテーブルの上から始まってゆきます。空に昼月、机上に昼酒。酔いがまわったら、昼寝もまたよし。雑誌のようで、絵本のようで、雑誌でも絵本でもない。あたらしい本のスタイル。

登録情報

  • 単行本
  • 出版社: 筑摩書房 (2004/5/26)
  • ISBN-10: 4480816348
  • ISBN-13: 978-4480816344
  • 発売日: 2004/5/26
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本のタイトルを見て、ファーブル昆虫記の虫の世界を題材にしているのかなと思っていたら、全然違いました。ここでのファーブルというのは、fable 「寓話」のこと。発音は本来はフェイブルなんですが、本書が世に出るそもそものきっかけになった「机上の空論」をアレンジして、テーブルの上のファーブル。語呂もいいしね、ということでタイトルはこれで行こうとなったみたい。

なので、テーブルの上に立ったファーブル先生がランプの周りを飛び回る蛾を観察しているとか、そういうシーンは出てきません。ただし、虫たちの研究の合間の気晴らしに、ファーブル先生がヴェルヌの『八十日間世界一周』をテーブルの上で読み耽っていた、ということはあるかもしれないけれど。

もといっ。本書の内容なんですが、空に昼月、机上に昼酒を置いたふたりの人物がテーブルを挟んでの雑談あり、「もぐり酒場」なる場所でささやかれた独り言あり、鉛筆たちの対話あり、とりとめのない夢想と言ってしまうと悪く聞こえますが、まあ、不思議と夢がブレンドされたみたいな話が並んでいるっていったらいいのかなあ。本の内容の説明が下手でごめんなさいなんですが、うまいこと説明しようとしたそばから蜃気楼のように文章が朦朧としてしまう、夢かうつつかグレイゾーンの世界に溶け込んでしまう、そんな味わいの本です。

なかでも本書の白眉として読みごたえがあったのが、「吉田健一の「酒は代用にならないという話」を読みながら考えたこと」。本書を開いたその中に、吉田健一のエッセイが本を開いた形で読めるようになっているんですね。そして吉田健一の開かれた本の周りに、本書の筆者の独白というか感想が書き留められています。この「本の中の本」という趣向がいかしてるなと思ったことと、吉田健一の文章の味わいが素敵だなと思ったことと、その文章にエールを送る筆者のつぶやきがいいなと思ったことと、この三つの点でとても心地よい読みごたえを堪能しました。

たまたま最近、吉田健一の『怪奇な話』という文庫本をネットで購入していたこともあり、いいタイミングで吉田健一の文章に接することが出来たなあ、読みたい気持ちに誘ってくれたなあと、私の芋蔓式読書にかなう一節でした。乾杯!

翻訳家、岸本佐知子さんが飛び入りのように本の中に登場したのには、意表を衝かれました。数日前に読んだのが、ミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』だったから。翻訳されていたのが、岸本佐知子さんだったんで、こういうタイミングの良さはなんかいいなあと。

クラフト・エヴィング商會の本は、これと『クラウド・コレクター(手帖版)』の二冊きり読んでいないので、あれこれもっと読んでみたくなりました。

本というものの不思議な存在、在りようについて思いをめぐらすことのできた一冊です。

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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 冨永哲(sr何でも相談室管理人) VINE™ メンバー
形式:単行本
前書き(?)にもありますが、「夜の妄想」を扱っていたクラフト・エヴィング商會が「昼の光の下で」再出発ということらしいです。

が・・・。
逆にこれまでになく"内にこもった"というか、もっと直截的に言うなら"死の匂い"がそこはかとなく漂う仕上がりになっています。

棺桶を思わせる「電球のベッド」や「そちらはどうですか?」と問いかける後書き等々。

ある意味「内にこもる自らを日の光の下にもう一度引っ張り出そうという努力の過程」がそのまま本になっているのかもしれません。

ちょっとだけ心配しつつ、でもクラフトエヴィング商會がずっと持ち続けている"健全さ"を信頼して、これからの展開を楽しみに待ちたいと思います。

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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
漂流する 2008/2/8
形式:単行本
内容の半分以上が目次のような本だ。クラフトエヴィングのファンならば、そのウイットに富んだ軽妙な語り口に、今まで刊行された本を思い出しながら、にやにやとあごをさすっているところだろう。ページをめくる度に次はどこに連れていかれるのか胸が躍る。「パロスデーム島便り」というお話が心にひっかかったのだった。

・・・私は、「現在」という、ほんのわずかな小さな島に点としてあり、「過去」と「未来」というふたつの大陸を望遠鏡で覗いては、「ほう」と関心したり、「嗚呼」と嘆いたりしています。「過去」にも「未来」にも同じように失望しますし、また、わくわくしすぎて、体がむずがゆくなるほどの「期待」を抱きます。島にいることで、時間がそんな不思議なかたちをとってあらわれてきます。時間が直線的に流れてゆかないのです。時間はただそこに「ある」だけで、良くも悪くも決して動くことがありません。・・・
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