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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
これはひどい・・・,
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レビュー対象商品: テロの経済学 (単行本)
この本の言いたい事は主に三つです。「テロリストは裕福で高い教育を受けている」「高所得で高い教育を受けている層ほど過激でテロを支持する」 「無教育な層は過激化しない。むしろわからないので意見を持たない」この3点です。 この3点が正しいと証明するためにこの本ではデータを清々しいまでに捻じ曲げて解釈しています。 表1の2 「政治的目標を達成するためにテロリズムを使用する事を正当化する状況があると思うか」で著者は 「教育水準の低い人ほど意見を発表しようとしないのである。」と結論しています。 「教育のない人が分からないと答えた確率22・4パーセント」を見てそう結論したのでしょう。 これは他の学歴層と比較して非常に高い数字です。それは事実です。 ただし著者は「最終学歴が小卒と高卒以上の「分からないと答えた確率」はそう変わらない」 「小卒と高卒の「分からないと答えた確率」は同数である。」という事実は無視しています。 もし著者の仮説が正しいのならこうはなっていません。 小卒と高卒とでは教育水準は段違いに違うのですから。 だがそこには触れないで自分にとって都合のよい所だけ引用しています。 表1の4 「イスラエル人を標的とした武力攻撃についてどう思うか」で著者は 「教育を受けていない人では反対もしくは強く反対よりも支持もしくは強く支持との回答者の方が46ポイント多いのに対し、 高校卒業以上の教育を受けた人では68ポイント程度の差になっている。 こうした発見はテロリズムへの支持表明の強さがパレスチナでは教育水準が高いほど高くなる事を示唆している」 と結論しています。 同じ資料で分かる「イスラエル人へのテロを支持する確率は小卒も高卒以上もほとんど変わらない」 「反対する確率は小卒が高卒以上より3・6パーセント高いだけ」 「中卒と高卒以上の数値はほとんど変わっていない」 という事実は無視しています。(ちなみに高卒以上とは大卒、院卒の事です) 極めつけは表1の6 「死亡したヒズボラ武装兵士と15〜38歳までのレバノン人口全体との比較」 著者はこう結論しています。「ヒズボラのメンバーの貧困率は28パーセントとレバノン全体の貧困率33パーセントに比べて 少し低い。教育水準で見るとヒズボラの死亡したメンバーは47パーセント以上が中学校卒以上であり、 レバノン人口全体の38パーセントと比べると高くなっている。」 つまりテロリストは普通の人より高学歴であると結論している訳です。自説の通りに。 中学校卒以上を基準にするとその通りです。では基準を変えるとどうなるでしょうか? 初等学校以上ならヒズボラ78% レバノン 87% 予備学校以上ならヒズボラ61% レバノン64% 大卒以上ならヒズボラ14% レバノン15% あれ?テロリストの方が高学歴層が低くなってますね。 何故著者が「中学校卒以上」を基準にしたかよく分かります。 このようなやり方をされると他の資料も 「自説に都合のいい資料だけを出しているのでは?」と考えてしまうのも当然でしょう。 例えば表1の6の貧困率とはどこを基準にしているのでしょうか? 「自説に都合のいい所」より下を貧困としているだけではないのだろうか?つまり 年収○○ドル以下を貧困としてしまうとテロリスト側の貧困率が高くなってしまう→ 年収××ドル以下を貧困とするとテロリスト側の貧困率が低くなり自説を証明できる では年収××ドル以下を貧困と定義しよう!と基準を決めているのでは?と疑ってしまいます。 自説に都合のいい「中学校卒以上」を基準にして結論を出したように・・・ この本の「テロは貧困と不十分な教育の結果である」という通説を豊富な統計データによる分析でうち砕き、 「テロリストはエリートで中流以上の家庭出身」とのショッキングな結果をあぶりだす。 とは こういう事です。
14 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
こういう分析も必要です。,
By 野原ひろし (埼玉県春日部市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: テロの経済学 (単行本)
テロリズムの背景には、貧困と不十分な教育とがあるという通説(本書では、グラミン銀行の創始者でノー ベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスが「貧しい人々 の生活を改善する」ことが、テロリズムの根絶に不可欠 と述べたことも紹介されている。)に、本書の著者は強 く反論します。所得と教育が不十分であることが、テロ リズムの重要な根本原因ではないと。 そのために著者が行った論証―世論調査の結果や、 米国防省のテロリストに関する報告を加工した統計から 明らかになったことは、興味深いものです。云く、テロ リストは一般に教育水準が高く、あたかも同様の人々が 投票行動で政治参加するように、テロ行為で政治的目 的を実現しようとしていること。そして、彼(女)らの母国 は、市民的自由と政治的権利が制限されているのが多 数であり、従ってテロリズムと対決するためにかの地を 軍事占領するという戦略は、逆効果になりかねないこと。 特にわたしが注目したのは、第二次世界大戦中に米 軍が行った東京大空襲について、これを国家支援テロリ ズムとして、本書で考察している個人がテロ組織に参 加しての行動と峻別していることです。つまり、本書日 本語版序文でふれている神風特攻については、検証の 意義は認めながらも、著者自身はそれを第二次世界大 戦で顕在化した無差別(戦略)爆撃の文脈で捉えるべ きものと考えているようにみえます。この冷静な議論の 進め方に、恐れ入りました。
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