テレビ番組とその出演者、制作サイド、局を批判した本である。
テレビ番組の悪口なら誰でも言えるし、今の時代テレビに期待している視聴者もほとんどいない。
しかし、テレビに対する態度やテレビ批判の語り口さえもがテレビに影響されていること、逆に私たちの口に出してはいえない思いのようなものがテレビに反映されていることには、なかなか気が付かない。
著者はテレビ番組を批判すると同時に、そのようなテレビを生きながらえさせている、言わばテレビと共犯関係にある私たちを遠慮なく切り捨てていく。テレビは社会の鏡であることが、本書を読めば否応にも分かるだろう。
「死亡寸前」のどうでもよいテレビ番組の視聴から、鋭い現代社会批判をやってのける著者の知性の鋭さには驚嘆するばかりである。
ハッとさせられる指摘と分析に満ちた本ではあるが、基本的には気楽に読みすすめられる面白い本である。著者の批判が自分本人にもあてはまり、思わず苦笑することも多々あった。
オチがつまらない話が多いのが星一つ減点。