テネシー・ウィリアムズの戯曲集。
「しらみとり夫人」、「財産没収」、「バーサよりよろしく」、「風変わりなロマンス」、「ロング・グッドバイ」、「話してくれ、雨のように・・・」、「東京のホテルのバーにて」の七編を収録。
どの作品も人間の絶対的な孤独をテーマにしており、現代人の心に突き刺さる内容である。
「しらみとり夫人」「財産没収」「バーサよりよろしく」の三作は、幻想に逃避する娼婦的女性の孤独と繊細さ、儚さを描いており、「欲望という名の電車」に通じる。
「ロング・グッドバイ」は崩壊した家庭と男性主人公の旅立ちを描き、「ガラスの動物園」に通じる。
「東京のホテルのバーにて」は、日本を舞台にして精神的に追い詰められた画家と奔放な妻の運命を描いた作品。台詞が短く小出しにされており読みにくいのがやや難点。
ウィリアムズの戯曲は名作ぞろいであるため、ハヤカワ演劇文庫が第二巻を出してくれることを切に願う。