韓国版ロボットアニメ「テコンV」については様々な場所で激しい議論が飛び交っている、
この作品については著作権問題から国交問題まで感情的にならざるをえない幾多の事情が付きまとうが、それらとは別に作品として観た場合、魅力がある事もまた事実、今更と思われる向きもあるだろうがクドクドと語りたい、
まず、世界中でこの作品について語るときに必ず命題となる、「マジンガーZ」および「マジンガーシリーズ」のデザインを盗用したものではないか?という点については間違いなくそうである、
テコンV作者のキム・チョンギ氏は何度も公式に否定しているが、それは彼の立場上認めるわけにはいかない事だからである、また、彼の語る否定の言葉自体が矛盾しており、理性的に判断すればそれが詭弁であることはあきらかである、ただしテコンVという作品自体がマジンガーのコピー品と言うわけでは無い、
主人公に巨大ロボットの登場するアイディアや話の構造(主人公の肉親が作ったスーパーロボットにのりこみ肉親の仇である敵と戦う、そして敵の親玉は肉親の旧友、ヒロインは博士の娘等々、、)は共通しているそしてアクションシーンではタツノコプロ制作のガッチャマンの動きをトレースしている、(例えばヒロインの戦闘シーンはガッチャマンのオープニングでの白鳥のジュンの動きをトレースしている)主人公が新聞に載った時の写真もタツノコ作品で見覚えのあるポーズと表情、またテコンVの飛行シーンでもジェットスクランダーで空を飛ぶマジンガーZの画面をほぼそのままトレースして使用している、(この場合のトレースとは、絵の上からなぞると言う意味、テコンvのデザインはマジンガーのイラストの上に紙をのせて、難しい部分を単純な形に変形させて、描き易く改変したもの)少なくともデザイン、設定、画面構成においてマジンガーZおよび、ガッチャマン等のアニメ作品を下敷きに作られた事は間違いない、(本編中、テコンドーの試合で憎き日本人と対決する場面では、自分たち本来の絵柄(後述)で醜い日本人を描き、そして韓国人であるヒーロー「フン」の顔は、日本人の描いた「ガッチャマン」大鷲の健の顔をトレースしている、)(ちなみに冒頭のシーンではディズニーのチップとデール風の場面がある)ではテコンVの魅力そして独自性とはどんなものだろう、まずはその絵柄である、
例えば「黄金バット」や「妖怪人間ベム」といったアニメを見た際、どこか日本のアニメとは違う異質な印象を覚えなかっただろうか、これらの作品は制作は日本だがアニメの作画を韓国のスタッフと共同して作られた物なのだ、テコンVスタッフはその流れを汲む人々であり、それゆえ不思議と懐かしい印象を受けるのだ、また、主人公の少年がテコンVの製作者である父を心から尊敬している様も儒教精神がにじみ出ている、人間になりたいと願う少女型ロボット「ネリ」の存在もストーリーに陰影を与え、むしろ人間側のヒロインよりも印象深い、なにより、劇場用に制作された事で活劇場面の多い娯楽作としての要素をもっている、
そして中毒性の強い主題歌、ついつい口ずさんでしまう、
今現在、わが国と緊張関係にある国において国策の旗印としての役目を任じられたロボットではあるが、ひとりのファンとしては不思議と惹かれるものがある、善悪でいえば悪だが好き嫌いでいえば好き、と言えようか。
以前、韓国のアニメおよびマンガ業界の人たちが「アニメ、マンガで日本を追い抜いて日本人を悔しがらせたい」と強く思っていると聴いた事がある、この作品に感じる鬼気せまる情熱もそこから来たのであろうか、ならば言いたい
「アニメやマンガは人を悔しがらせる為で無く人を楽しませる為に作るのだ」と。