DS西村京太郎サスペンスが面白かったので、予約して発売当日に購入。
現在三人の主人公のうち、舞妓探偵の章をプレイしただけですが、プレイしていて色々気になる所が目に付きます。
一番大きな違和感を覚える要因は、今起きている事件について、プレイヤーと主人公の考察や感情がズレすぎている事だと思います。言うなら、この作品は『プレイヤーが犯人を当てるゲーム』では無く『今主人公が怪しいと思っている人物を当てるゲーム』なんですね。だからどれだけプレイヤーが『怪しいのはAさんだ』と思っていても、主人公が『Bさんが怪しい』と決め付けている以上、何故怪しいのか、その根拠は…などひたすら無駄な推理に付き合わされるはめになります。結果真犯人は別にいて、間違った推理をした主人公は罪悪感に陥り、こっちまでその責任をなすりつけられているような不快感が。
更に、主人公の事件解決への熱い思いが空回りしている感が強く、散々『犯人はBしか考えられない!』と言っておいて、それがはずれだと分かったら、B本人の目の前で『あなたが犯人だと思っていたけど違った。今は犯人がAとしか考えられない!』…と言い出す始末。探偵として以前に、人間としてどうなんでしょうか。
それにまず、冒頭部分で殺人事件があり、舞妓がひとり料亭の庭先で死んでいる。その時の主人公たちの判断の意味が分からない。『犯人は事件当時店にいた客の中の誰かだ。店の女将は自分の店で事件なんか起こす訳が無いから除外できる』…何故ですか?密室ならまだしも、誰でも出入りできる庭で何故外部の者の犯行である可能性を考えないのか。何故自分の店で殺人事件を起こすような女将はいないと断言できるのか。
…ゲームとして作る上で、犯人の数を制限せざるを得ないが為の表現だったのかもしれませんが、作品のそこここにこう言ったプレイヤーとして納得できないまま進むシーンがあり、これではまともに推理を働かせる事などできません。
殺人事件を扱っているので年齢指定こそBをつけられていますが、内容と難易度は小学生向け。…と言ったら小学生に失礼かと思える程単純です。完全な一本道のアドベンチャーで、せっかく市街マップモードがあるのに自動移動で常に行き先は一ヶ所しかありません。推理モードにもひねりが無く、タッチペンで怪しい場所を調べる際にも、『あそこが怪しい』と言うようなヒントがある上正解を導き出すまで話が進まないので、調査漏れもありません。
自分は西村京太郎サスペンスも本編よりオマケの短編推理集の方が楽しめたタイプの人間ですので、今回オマケが京都雑学クイズしか無いのも不満でした。
今回西村京太郎サスペンスとは一味変わった、『愛憎』のテーマに惹かれて購入したのですが、それにしては登場人物たちは一様に薄っぺらな人間性の持ち主ばかりですし、楽しみにしていた人間関係の感情コマンドも自分で入力するシステムではなく、自動入力。何もかも全部自動でやられても…ゲームなんだから、ある程度こちらに任せてほしかったです。
このゲームをおすすめするとしたら、山村美紗さんのファンの方、京都が大好きな方、アドベンチャーゲーム初心者で入門ソフトを探していらっしゃる方、でしょうか。細かくて丁寧な京都独特の用語辞典などついていて、推理より京都の街にひたる目的重視の方なら楽しめるかと思います。