1983年にシングル「ツール・ド・フランス」を発売し、予定ではその年末あたりにはアルバム「テクノ・ポップ」として出るはずだった作品は、やがて「テクニカラー」に変更され、ついに発売されたときには「エレクトリック・カフェ」になっていた。それが今回のリマスターで再び「テクノ・ポップ」になって帰ってきた。前作のときにも気になっていたクレジットだが、やはり「演奏」に関しては「3人」であると記載されている。もはやシンクラヴィア導入で高性能なシーケンサーやドラム・マシンが湯水のごとく登場したこの時代、エレクトリック・ドラマーの2人の役割りは縮小し、主導権はラルフ&フローリアンの2大巨頭に移行していった。といっても本作収録の「Telephone Call」ではカール・バルトスがリード・ヴォーカルをとっている。そして今回初めてアルバムに「House Phone」が収録されている。これは「Telephone Call」のシングルにカップリングされていたものである。そのため「エレクトリック・カフェ」より1曲多い全7曲になっているが、注意点がひとつある。そのカールがヴォーカルを担当し、当時アルバム中最もメロディアスでハイライト的な曲であった「Telephone Call」は、本作ではシングル・ヴァージョンに差し替えられている。曲の後半のシンセ・ベース・ラインが丸々カットされているのは残念だ。
全体的にはサンプリングや空間エフェクトを駆使し、パワフルとも思えるドラム・サウンドやチョッパー・ベースの「音」が使われているのは、歴史を振り返ってみれば、ラルフ&フローリアン以外のメンバーが歌うことも含めて「異質」な作品であるともいえる。
本作でヴォルフガングは何を担当したのだろう?