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まず、私の目をひいたのは書名に掲げられた「テクノロジスト」という言葉。私には聞き慣れない言葉だが、サイエンティストでもなく実践と行動とを伴った技術のプロフェッショナルの必要性を説く言葉である。プロフェッショナリズムの啓蒙に尽力してきたドラッカーらしさが、この言葉に表象され、本書にはこの名に違わないMOTの太い背骨がある。
また、冒頭「文明の変革者としての技術」の一編は、文系でも理系でもなく、科学でも社会学でもなく、マネジメントでも技術者でも科学者でもなく、各者の視点を俯瞰する技術への歴史的考察がなされている。こうした普遍的洞察力が、経営思想家としてのドラッカーの魅力の中核であると思われ、MOTを扱う本書においてもこれは変わらないのだ。
ドラッカーの深く・広い洞察は、今普及が急がれているMOTに哲学と強い風を与え、イノベーションを必然とせざるを得ない今後の企業活動に理念を与える。本書は、その一端に触れる貴重な機会をリーズナブルに提供する一冊と言えるのではないだろうか。
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