介護の技術で割と一般的に行われている介助動作を
利用者の感じる苦痛や不安などの面も含めて検証しながら
「貝塚式」というふれこみの、人間の基本動作に沿った
動きと、心理面での不安をなくす身体への先行動作・声掛けなどの
実例、身体的に痛みや圧迫感を持たせない手首から先の使い方などが
示されているのでとてもわかりやすかった。
例えば離床介助では、脚部をベッドからまず垂らすように動かしてから
上半身を抱き起すような動作が主流ですが、利用者は
下半身をずらされると「落下するのでは」という不安を抱くと
いう点にまで言及しているのは介護技術の他書ではみかけた
記憶がありません。
全介助では、一般的な移乗方法において
利用者サイドは5つの苦痛と不安を感じていると検証しています。
特に、通常行われることの多い介助利用者の両足の間に
介護者の膝を割り込む方法が
フットレストの狭い空間においては
介護者の足が柱になってしまい
車椅子のフットレストとフットレストのあいだで
患側の足がからまったり
外側に逃げることができないために
骨折やねんざを引き起こすのではないかという
危険性についてきちんと述べている点は特筆もの。
写真と解説が非常に丁寧でマッチングしており
介護の知識のない人でも十分理解できるものだと思います。
貝塚式のポイントになっている腋の下に当てる手の位置については
親指の付け根をと解説されているのですが、貝塚式に不慣れなうちは
実際には親指を立ててホールドする方法が身体の抜けを防ぐ意味で
ある程度必要ではないかという感じもしました。
介護技術で迷った時には一度目を通してほしい良書だと思います