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かつては名の売れた作曲家だったゲイの老人コウクロフト。ある事件がきっかけで故国イギリスを離れた彼は、イタリアの田舎町で瞳がきれいな雑種犬のティモレオン・ヴィエッタと仲良く暮らしていた。そこにハンサムで残酷なボスニア人の青年が転がり込んできて、老人と愛犬の穏やかな生活は終わりを告げる。青年に疎まれて見知らぬ街に捨てられたティモレオンは、懐かしの家を目指して走り出すが…。
本書はあらすじから想像されがちな愛と癒しの感動ストーリーではない。グランタ誌の「若手イギリス人作家ベスト20」(2003年)に選ばれた著者が描いたのは、グロテスクな暴力と読み手をにんまりさせる笑いに満ちた、おかしくて怖くてせつない不思議な物語だ。
特にすばらしいのは、小さな物語やエピソードが交錯する後半部分。家路をひた走るティモレオンが目にするさまざまな人々の人生模様には、そのひとつひとつが独立した短編作品と呼べるほどのきらめきがある。また、そうした小さな物語同士に直接のつながりはなく、それでいてどの話も深いところで結びついているように感じられるのもおもしろい。ばらばらに投げ出された生と死のエピソードを束ねているのは、人間という不条理な存在をありのままに見つめるティモレオンの視線。その優しくも冷たくもある眼差しこそ、本書の独特の味わいを生み出す素になっている。(小尾慶一)
出版社/著者からの内容紹介
江國香織氏推薦! 「ニ短調の哀しみを伴うとはいえ、愛はかくも強烈で美しく、小説はかくも緊密でおもしろい」 残酷で、滑稽で、皮肉で、グロテスクで、そして切なく哀しい。ありきたりのラブストーリーに飽き足りない読者のために用意された、究極の愛の物語。
内容(「BOOK」データベースより)
ティモレオン・ヴィエッタは犬の中で最高の種、雑種犬だ。少女の瞳のように愛らしい目をしている。初老の飼い主と暮らしていたが、ボスニア人を名乗る不審な男があらわれ、街角に捨てられてしまう。世界中で繰り広げられる残酷で不条理な愛の物語を横切りながら、ティモレオンはひたむきに家路を急ぐ。世界25カ国で翻訳された話題作。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「MARC」データベースより)
かつてイギリスで名の売れた作曲家だったコウクロフトは、イタリアの片田舎で、雑種犬のティモレオン・ヴィエッタと共に隠居生活を送っていた。そこへボスニア人の青年が訪ねて来て、居候を始めたが…。
Book Description
Cockroft is a composer and socialite in self-imposed exile. He has a dilapidated home in the Italian countryside and a trickle of royalties from faded glories that allow him one debauched weekend per month in Florence. And, of course, he has the ever-loyal Timoleon Vieta -- a mongrel with the uncanny knack of touching the lives of damaged people and possessor of the most beautiful eyes. During his sorties into the city, Cockroft invariably drinks too much and propositions young men, leaving them his card along with an offer of free accommodation in return for oral sex every Wednesday. When a handsome but surly individual known only as The Bosnian unexpectedly takes the elderly man's offer, Timoleon senses that he is not all that he claims. In a tragicomic work of macabre beauty, written in a style of deceptive simplicity but fierce emotional immediacy, Rhodes amuses and moves in equal measure. Timoleon Vieta Come Home is a novel about love, sex, and death that fulfills the promise of Rhodes hugely acclaimed two collections of short stories.
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出版社からのコメント
2003年に日英同時刊行されたダン・ローズ初の長編『ティモレオン』(小社刊)は、発売以来、内外の批評家たちの大きな関心をひき、物議をかもしたロングセラーとなりました。この長編の原点とも言える本書は、当然のごとく本国イギリスでも注目を集め、日本でも多くの読者が邦訳を心待ちにしていた作品です。『コンスエラ』(原題“Don't Tell Me the Truth About Love”)は彼の二作品目、「愛」をめぐる七つの寓話が収められた短編集です。
しかし「愛」とは言え、いま流行の「純愛」とは真っ向から対立。ダン・ローズが紡ぐ愛のエピソードは残酷で滑稽で皮肉で、ときにグロテスクでさえあります。「アンデルセンではなくグリムの世界を、恐怖とユーモアをまじえて、現代に再現したような短編集とでもいえばいいだろうか」とは、訳者金原瑞人氏の言葉ですが、読者は描かれた愛の不条理に面喰いながらも、ダン・ローズの圧倒的な筆力によって、いつしかその独特な世界観に引き込まれてしまうはずです。
しかし「愛」とは言え、いま流行の「純愛」とは真っ向から対立。ダン・ローズが紡ぐ愛のエピソードは残酷で滑稽で皮肉で、ときにグロテスクでさえあります。「アンデルセンではなくグリムの世界を、恐怖とユーモアをまじえて、現代に再現したような短編集とでもいえばいいだろうか」とは、訳者金原瑞人氏の言葉ですが、読者は描かれた愛の不条理に面喰いながらも、ダン・ローズの圧倒的な筆力によって、いつしかその独特な世界観に引き込まれてしまうはずです。
著者について
Dan Rhodes was born in 1972. He is the author of Anthropology, Don't Tell Me the Truth About Love, Gold and Little Hands Clapping. In 2003 he was named by Granta Magazine as one of their twenty Best of Young British Novelists. He lives in Edinburgh.
--このテキストは、
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ローズ,ダン
1972年イギリス生まれ。2000年に出版された処女作『Anthropology』は、“Macmillan Silver PEN賞”にノミネートされ、bol.comの“Book of the Year”ではフィクション部門の第3位に選ばれた。2001年には秀作短編『Don’t Tell Me the Truth About Love』を出版。また2003年1月には英Grantaによる“The Best of Young British Novelists”に選出され、イギリスを代表する若手作家としての評価を不動のものにした
金原 瑞人
1954年岡山市生まれ。法政大学英文学専攻博士課程終了。法政大学教授、翻訳家
石田 文子
1961年大阪府生まれ。大阪大学人間科学部卒業。タトル・モリエイジェンシーのプロ翻訳家講座で金原瑞人氏に師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1972年イギリス生まれ。2000年に出版された処女作『Anthropology』は、“Macmillan Silver PEN賞”にノミネートされ、bol.comの“Book of the Year”ではフィクション部門の第3位に選ばれた。2001年には秀作短編『Don’t Tell Me the Truth About Love』を出版。また2003年1月には英Grantaによる“The Best of Young British Novelists”に選出され、イギリスを代表する若手作家としての評価を不動のものにした
金原 瑞人
1954年岡山市生まれ。法政大学英文学専攻博士課程終了。法政大学教授、翻訳家
石田 文子
1961年大阪府生まれ。大阪大学人間科学部卒業。タトル・モリエイジェンシーのプロ翻訳家講座で金原瑞人氏に師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)