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ティモレオン―センチメンタル・ジャーニー
 
 

ティモレオン―センチメンタル・ジャーニー [単行本]

ダン ローズ , Dan Rhodes , 金原 瑞人 , 石田 文子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)

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   かつては名の売れた作曲家だったゲイの老人コウクロフト。ある事件がきっかけで故国イギリスを離れた彼は、イタリアの田舎町で瞳がきれいな雑種犬のティモレオン・ヴィエッタと仲良く暮らしていた。そこにハンサムで残酷なボスニア人の青年が転がり込んできて、老人と愛犬の穏やかな生活は終わりを告げる。青年に疎まれて見知らぬ街に捨てられたティモレオンは、懐かしの家を目指して走り出すが…。

   本書はあらすじから想像されがちな愛と癒しの感動ストーリーではない。グランタ誌の「若手イギリス人作家ベスト20」(2003年)に選ばれた著者が描いたのは、グロテスクな暴力と読み手をにんまりさせる笑いに満ちた、おかしくて怖くてせつない不思議な物語だ。

   特にすばらしいのは、小さな物語やエピソードが交錯する後半部分。家路をひた走るティモレオンが目にするさまざまな人々の人生模様には、そのひとつひとつが独立した短編作品と呼べるほどのきらめきがある。また、そうした小さな物語同士に直接のつながりはなく、それでいてどの話も深いところで結びついているように感じられるのもおもしろい。ばらばらに投げ出された生と死のエピソードを束ねているのは、人間という不条理な存在をありのままに見つめるティモレオンの視線。その優しくも冷たくもある眼差しこそ、本書の独特の味わいを生み出す素になっている。(小尾慶一)

出版社/著者からの内容紹介

江國香織氏推薦! 「ニ短調の哀しみを伴うとはいえ、愛はかくも強烈で美しく、小説はかくも緊密でおもしろい」 残酷で、滑稽で、皮肉で、グロテスクで、そして切なく哀しい。ありきたりのラブストーリーに飽き足りない読者のために用意された、究極の愛の物語。

登録情報

  • 単行本: 253ページ
  • 出版社: コンシャスプレス (2003/03)
  • ISBN-10: 4901868055
  • ISBN-13: 978-4901868051
  • 発売日: 2003/03
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 554,109位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:ハードカバー
英国のオンライン・マガジンのインタビューで「不幸だから書く。幸福で満たされた状況になったら、僕は書けないだろう」、「恥知らずなほどセンチメンタル」、「最初から三作しか書かないと決めていた」、「The Smithsの名曲を一つ聞けば、賞を取るような小説なんか読む必要はない」、「小説は人の感情に訴えるものでなければ意味がない。クレバーな小説は嫌い」と言い放つダン・ローズの三作目。これ以外に恋愛小説はいらないのではないかと思うほど「SAD」な前作の短編集Don't tell me the truth about loveにも唸りましたが、Timoleon Vieta Come Homeの逆説的なセンチメンタルにも、やはり腰が抜けました。腰が抜けるような小説を書く作家を見つけることなんて、十年に一度ぐらいしかないのだから、彼にはもっと書いて欲しい!!
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 1950
形式:単行本
不条理なんてものじゃない。醜悪で残酷な物語。
ラッシーのような、名犬物語りでも、愛に満ちた愛犬物語りでもありません。
犬をお飼いになっている方や、動物好きの心優しい方には、絶対オススメしません。
読み終えた時は、息を呑み、涙も出ませんでした。

はじめは、愛らしい雑種犬「ティモレオン・ヴィエッタ」の飼い主、コウクロフトというおやじに、
腹を立てまくり、後ろから蹴飛ばしてやろうかねという勢いで、ページを捲り続けた。なんって話しだ!と。大笑いして。
ティモレオンはこの飼い主に捨てられるのだが、それに至る場面では、あまりにありがちな、人の心の変化に、憎しみさえ感じる。
その後続く、家路を辿るティモレオンとすれ違う人々の物語りは、悲しく切ない。不条理にみちている。
「よくある話しさ。人生なんて、皮肉なもんだもん。」とシニカルに本を置けなくなっていたのは、
人々の悲しさを通して、ティモレオンの運命を予感し、愛しくなっていったせいかもしれない。
人間のささやかな身勝手から引き起こされた、悲劇の数々。
この物語りの残酷さこそ、いつかの自分の事の顛末。その結果なのだと、突きつけられているように感じる。

久々に、後あじの悪い、それでいて抗しがたい魅力のある作品と出会った。
作者は「もう書かない」と言っているようだが、次回作を切に熱望する。

このレビューは参考になりましたか?
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
グッと来ました。
予感はしていました。しかし、
後半の、あまりにも美しすぎるエピソードの連続に
ついつい警戒心が薄れ、予感を忘れて惹き込まれました。
ゆっくりと気持ちよく不思議な夢を見ていたのに、
不意にハッと目を覚ましたら大遅刻だった、
というような感じでした。
このように物語(フィクション)に誘われる体験は、

とても気持ちが良いものです。
だいじな蔵書になりました。

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投稿日: 2004/2/22 投稿者: ゼロ
いい
ティモレオンたん……(;'Д⊂)
投稿日: 2003/11/28
今もどこかで
... 続きを読む
投稿日: 2003/10/13 投稿者: akashia
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