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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
まだ映画は見ていないけれど。,
By ゆみっちょん♪ (関東地方) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ティファニーで朝食を (単行本)
村上春樹さん訳の、「ティファニーで朝食を」。ホリーが、とても可愛い! 夢中になって読みました。 映画の方はまだ観ていませんが、この本を読むとホリーとオードリーヘップバーンの イメージとの間にギャップがあるような気がします。 村上さんの文章は、エグい事が書かれていても、透明感があるというか 清涼感があって大好きです。 この本も、曖昧なところは曖昧なままに、クリアカットなところはクリアカットにと、 村上さんならではの色が出ているのに、このお話の良さや特色が引き立っている感じで良かった。 セリフ回しもキャラに合わせて絶妙。すごく想像力を掻き立てられます。 同時収録のお話も、どれも面白かったです。 得に、「花盛りの家」が好きです。 リアルで性的な描写があったりするのに、そこはかとなくピュアで、 まるで御伽噺のようなメルヘンチックな感じがして、不思議なお話です。
30 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
新釈 『ティファニーで朝食を』,
By 斉藤健志 (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ティファニーで朝食を (単行本)
表題作はおよそ20年くらい前に一度読んだことがあったが、今回新ためて村上春樹氏の翻訳で読んでみて、全く別の小説のように新鮮で魅力溢れる物語であると認識させられた。ホリー・ゴライトリーなる主人公の女性のパーソナリティーを村上氏の翻訳はくっきりと、かつ魅力的に浮かび上がらせている。日本語への翻訳の場合、特に女性言葉において、話し言葉の文末の処理が難しい。どうしても単調で、なよなよした表現になりがちなのだ。しかし、村上氏は敢えて乱暴な語り口も辞さずに取り入れるなどして、ホリーの奔放さを表すのに成功している。それ以外の3つの短編も、それぞれに魅力溢れる逸品で、村上氏の翻訳はそれをあたかも元々日本語で書かれた作品であるかのように、瑞々しく表現している。 『花盛りの家』は、まるでメリメの『マテオ・ファルコネ』のような、古典的な美しさを湛えた完成された作品であり、『ダイアモンドのギター』は、社会からドロップアウトした者たちの荒んだ世界を美しく描き上げ、テネシー・ウィリアムズの短編集『片腕』を思わせる佳品に仕上げている。『クリスマスの思い出』の切ない味わいは、小品ながらマッカラーズの『結婚式のメンバー』に通ずるアメリカ南部の日常を見事に現出している。4作品とも、作者カポーティ自身の、孤独な魂のふるえを滲ませているかのようで、読後哀切な余韻を残す。 訳者による評価は余り芳しく無いようだが、個人的にはカポーティの『カメレオンのための音楽』を村上春樹訳で是非読ませてもらいたいと思う(H20.3.23)。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
いつかは枯れゆく才能だとは知りつつも…,
By daisuke harada "you" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ティファニーで朝食を (単行本)
私は村上春樹が翻訳したアメリカ文学のファンだけれど、一冊だけ選ぶとするなら?と聞かれたら、真っ先に本書を挙げるだろう。煌びやかで、あっちこっちにとび跳ねる独特の文体が上手く表現されている。原書も読んだが、比べてみても遜色なく面白い。もちろん全く印象が同じというわけではなく、原書は原書、翻訳は翻訳だ。けれども村上春樹の都会的な感性が、この「ティファニーで朝食を」というマンハッタンのセレブリティの生活を描いた中編小説の魅力をより際立たせてくれていた。 改めて読んでみると、30代半ばの人が書いたとは思えない完成度の高さだ。文体も素晴らしいし、キャラクターも魅力的で、おまけに都会に暮らす人々の喧騒とその裏にある孤独というテーマは、現代においても全く古臭さを感じさせない普遍的なものだ。まったくぐうの音も出ないし、なるべくしてなった作家というのは、間違いなく彼のような人なのだろうなと思わずにはいられなかった。 けれども彼の様々な作品を読み返すうちに、ある事に気付いた。それは彼が「若者」しか書けないことである。人はある年齢を過ぎれば、どこかに腰を据えて落ち着かなければならない。それは悪く言えば老いだし、時に成熟と呼ばれることもあるけれど、どちらにせよ身体に合った精神を段階的に身につけなければ、きっとどこかで人生の歯車がかみ合わない日が来てしまうからだ。 しかし彼は生涯を通じて、人生の春と夏の間の陽光の喜びや突然の夕立に打たれた時の悲しさしか描けなかった。もちろんそれでも素晴らしい業績だという事には変わりはないけれど、私は彼の才能はいつか枯れてしまう種類のものだと思った。その「予感」が何度も読み返すうちに、行間のすき間からどうしても垣間見れてしまって、それは私の心を少し寂しい気持ちにさせた。
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