ハンカチとエプロンをなくした女の子ルーシーは、森の奥の岩に家を見つけます。そこには、ちゃんと服を着ているのにヒゲをはやした、洗濯おばさんティギーが住んでいて……。
ピーターラビットのシリーズでは、ピーターとマグレガーさんの関係のように、動物と人間の世界は区別されていますが、このお話では人間の女の子が動物の世界へ入っていき、ちゃんとおしゃべりしています。しかも、出会ったのは、ハリネズミの洗濯おばさん。
胸の赤いコマドリは「まっかなチョッキ」を、ふわふわした子羊は「オーバー」を着ていて、時々おばさんに洗濯を頼んでいたのね、と妙に納得させられます。それに、ティギーおばさんの、アイロンをかける手つきの真に迫っていること! でも、こんな世界には、口がよく回らなくて「ハンキチ」「エピロン」としか言えない年の子しか、入れてもらえないようです。アンティーク人形のようなルーシーの表情も、不思議な懐かしさをかき立ててくれます。ファンタジー好きにはたまらない珠玉の小品。