内容紹介
ひとりの人生のすべてがこめられた本は稀である。
もっと稀なのは、さまざまな人たちの人生を奥深いところで結び合わせた本だ。
稀ななかでも、さらに稀なのは、
異質なふたつの世界をひとつに繋ぎ、
それらのあいだに、不可思議にして普遍的な意思疎通を魔術のように紡いでいるものは何か、
それを感じとらせてくれる本である。
フランソワ・チェンが、このみごとな作品において成し遂げたことである。
――ジャン・マンブリノ
日中戦争から、内戦を経て共産党政権の樹立、中華人民共和国の大躍進政策と
それにつづく大飢饉、そして文化大革命……。
そこに生きた三人の男女、語り手のティエンイ(天一)、彼が「戀人」と呼ぶユーメイ(玉梅)、
「友」と呼ぶハオラン(浩郎)の天職と運命を滔々と描く。
愛と友情はひとつになって三人をつなぎ、
誰かひとりが欠けたら、他のふたりの人生はありえないほどに強い絆が、読む者の胸を打つ。
革命を逃れて二十歳でフランスに渡った著者が
七十歳を前に、ありえたかもしれない別の人生を自らに重ねて書いた小説『ティエンイの物語』は、
広く感動を呼んでフェミナ賞を受賞。
詩人書家フランソワ・チェンは2002年、アジア人として初めてアカデミー・フランセーズ会員に選ばれている。
内容(「BOOK」データベースより)
日中戦争から文化大革命まで、激動の中国を生き抜いた三人の男女の天職と運命を描いた感動的長編小説。詩人=書家が自らの人生を込めた、フェミナ賞受賞作。