これまでティアックのカセットやDATやマルチトラックレコーダ(アナログオープンもデジタルも)を愛用してきました。この製品も価格の割に生録音に必須の基本部分がしっかりしていて、何十年も録音機を作り続けてきた同社だけのことはあります。
まず、録音レベル調節がアナログのダイヤルであること、AGC(自動レベル調節)、リミッタ+手動、手動の三種類が簡単に選択できることを挙げましょう。ステレオマイク入力にローカットがあるのも外録では重要です。なにより「わかっている」感じがするのが、マイク入力のプラグインパワーをON/OFFできることですね。おかげでその辺で売っている安価なマイクから、RODEあたりのそれなりに高級なステレオコンデンサマイクまで安心して接続することができます。やろうと思えばF115やゴーナナのようなダイナミックマイクもつなげます。ライン入力は固定感度ですが、生録用途なら送り出し側で調節できるのが当たり前なのでこれでも実用になり、これもまた「わかっている」感じがします。
録音ボタンは大型のものを独立させてあり、操作感がしっかり手から伝わってきます。こういうのも大切な要素です。また、リチウムイオン充電池が交換可能になっていて、充電済みの予備電池を持って行けば電源の心配がいらないというのも「わかっている」部分の一つです。
業務器程の品位はありませんが、マイク入力を使っても結構な空気感がありますし、内蔵マイクも素直な音がします。WM-61Aあたりと組み合わせるといろんなフィールドで使えそうです。
チューナ・チューニングメータ機能やメトロノーム機能もあって、内蔵マイク+MP3で気軽に音楽練習用に使っても良し、非圧縮フォーマットでマイク繋いで蒸気機関車狙っても良し、コンサート録音のサブに使っても良しと、大変優れた製品です。
これまで小規模な生録やバックアップ用にはソニーのPCM-M1を愛用してきました。M1もまた優れた製品ではありましたが、DATの時代ではなくなってきて困っていました。これでやっとDATから離れられます。