知人が鬱で自殺しています。
けっして弱い身体でも暗い性格でもありません。
スキーで国体に出たほどのスポーツマンで、見た目も爽やかで良い奴でした。
強靭な心身の持ち主ですから、最初はすぐに治ると、本人も周囲も軽く見ていました。
しかし、良くなったり悪くなったりをユラユラ繰り返し、短期ですが何度も入院し、
やがて躁鬱状態となり、突然の飛び降り。発病からここまで7年弱。
遺書のようなものは一切無し。これが自分の知っている「現実の一例」です。
(1か月ほど休職し、ケロッと治ったというのも2人知っています)
この作品は原作の漫画も読んでますし、NHKのTVドラマも見たし、映画は試写会で観ました。
でも結論からいえば、これは鬱病患者のうち、近隣に良き理解者がいて、良い医者にも巡り合え、
快方に向かうという、少数のハッピ−エンドストーリーであることを分かって欲しいです。
・医学的な描写はほとんどなく、鬱を詳しく知ることは出来ません。
・鬱は十人十色どころか十人百色というくらい複雑怪奇で、この映画はあくまで一例。
・映画というエンターテイメントのため、闇の部分をあえて抑えている。
自分自身は健康だけど、鬱病に興味があるという人が見るには悪くないですが、
見た後に「これで鬱病が分かった」などというのは大きな勘違いだと思います。
鬱病患者に対して、周りの者は家族や医者も含め、我慢しつつ回復の手助けをし、見守るしかありません。
場合によっては、鬱病患者の近くにいるために、自らも鬱病となることもあります。
鬱で休職→退職→長期失業→退職理由が鬱病のため再就職が困難。
医療費はかさむのに、まともに稼ぐことが出来ない。
とにかく負の連鎖で、精神疾患で退職した人間が、公務員並みの
収入を得るまでに復活出来ることは、そう多くはありません。
原作者は本作を足がかりに夫婦でかなり稼いでいますが、普通は長期の
苦しみに耐えなければなりません。この夫婦の流れは奇跡的な例だと思います。