ツァイ・ミンリャン自身が監督した『楽日』『西瓜』と主役のリー・カンションが初監督した『迷子』の三作品。
『楽日』は、台北に実在する巨大老舗映画館の営業最終日(らくび)に集う様々な人々の惜別の念を、殆ど台詞なしで、雨音、靴音、上映中の「龍門客棧」の音声だけで構成されています。 その暗闇と光の中に、台湾庶民の日々の暮らしを愛しい迄に淡々と描き、今や消え去ろうとしている古き良きものに対する蔡監督の万感の想いを込めた秀作です。
(それにしても、トイレの長まわしはスゴイ!汗)
『西瓜』は、ピンク映画と見間違う程の過激な描写と、ブラック・ユーモア(蒋介石までパロってくれて)、毒毒しいまでの色彩で彩り、実は純愛物語だった、というオチ迄つけた衝撃作!
『迷子』は、リー・カンション初監督作品にしては、手堅くまとめています。行方不明になった孫を必死で探すお祖母さん。街の雑踏の中、出逢う台湾庶民の心の暖かさが見事に描かれています。 冒頭、公園のトイレのシーンがでてきますが、『楽日』の中にも、延々と続くトイレの長回しシーンがありました。やはり師弟?似ているのかな。 三作共、現在の台湾映画の実力を示し、十分に楽しめます。
中でも、『楽日』はエポック・メーキングな作品で台湾映画の最高峰だと思います。