海堂尊のベストセラー原作と比べると、大筋以外のパートでかなりの変更が加えられている。まず、不定愁訴外来の田口が男性から女性(竹内結子)へ、白鳥と田口がはじめて出会う場面がなぜかソフトボールの試合中?、そして厚顔無恥な火喰鳥の白鳥にどう見てもスマートすぎるアベちゃんをキャスティングしたりしている。中村義洋監督によればプロデューサー側の意向があったそうで、ソフトボール自体もはじめはシブシブ了承したという話。
しかしよくよく考えてみると、原作に忠実にほとんどを術中シーンで構成してしまうと絵が暗くなることは必至。おまけに手術着とマスクをつけさせれば誰が誰だかわかりづらいというマイナスが生じてしまう。器械出し担当以外はすべて男というチーム・バチスタに、さらにムサ苦しい男2人を加えてしまえば映像は限りなく地味になることが明白だったのだ。正統派美人女優・竹内結子にソフトボール・ユニフォームを着せてスクリ−ン登場させれば、そんな問題も一気に解消可能なのである。(次回作『ジェネラル・ルージュの凱旋』でも竹内のユニフォーム姿を拝めるらしい)
俳優のキャスティング以外にも、本筋にはかかわらない小ネタ部分もほとんどがオリジナルに書きかえられており、監督によれば『エクソシスト』や『ゴッド・ファーザー』にオマージュを捧げたシーン(おそらく誰も気づかない)まで用意されているらしい。要するに、確かに面白かった原作に思い入れのある人の評価は低いものの、本作品ではじめて『チーム・バチスタの栄光』を知った人にとっては結構な映画だと思うのである。但し、火喰鳥こと白鳥のインパクトについては原作の方が数段上で、実際笑えるところも多かった気がする。“笑い”よりも“ビジュアル”を優先させたこの映画、それはそれでアルと思います。