「次回作も読みたい」って新人作家に久しぶりに会えました。
話自体も一気に読んでしまうくらいテンポが良くておもしろいのですが、
とにかく濃いキャラが多い小説!
大学病院の窓際族・神経内科医の主人公を始めとして、アメリカ帰りの天才外科医、影の実力者と言われるおばさん看護師、そして厚生省の超変人役人…。変わり者ばかりだけれど、「いるいる、こういう人〜」とうなずいてしまうリアリティがある。
濃いキャラ好きにはたまりませ〜ん!
主人公・田口のこだわり。それは初対面の人に対して、必ず名前の由来を説明してもらうこと。名前というのはその人が一番耳にする言葉であり、その特別な言葉に対してどのように向かい合っているかを知ることは、生きる姿勢を知ることにつながるから…。
そこから見えてくる人間の姿。作者の人を見る目の鋭さ。
さて、自分はどうだろう…と思わず読者にも振り返らせてしまう強さがある。
ただ、ミステリーとして読むと物足りない部分はあるし、小説冒頭で大量の人物の名前が一気に出てくるので、「この人はなんだっけ?」とわからなくなることもしばしば。でもそこは新人作家なんで目をつぶって。それを差し引いても余りあるおもしろさがあるから!
ラストの桜の下の会話。せつなさと温かさが入り混じって、読後感もよかったです。