闘う集団をまとめるのは容易ではありません。
女子の集団を男が統率するのも何かと難しい。
全日本女子バレーボール監督の眞鍋さんには、この両方が求められます。
体格では劣るチームを世界の強豪に育てたマネジメント術がこの本には詰まっています。
チームのスイッチを入れる、つまり「やる気」を出させるための戦略が55項目にわたり紹介されていますが、
中でも特筆はやはり「女子の扱い方」について述べた部分です。曰く、
「素直さを生かす」「頭ごなしに言わない」「妬みをポジティブ感情に変える」etc…
眞鍋監督の丁寧なコミュニケーションは、女性の部下を持つ人にぜひ見習っていただきたい!
この本が秀逸なのは、眞鍋監督の持論に対し、スタッフや選手がコメントを挟んでいること。
だから本の著者は「眞鍋政義+全日本女子バレーボールチーム」なのです。
とりわけコメントが面白かったのはチームの大黒柱、セッターの竹下佳江選手でした。
「新しい監督がくると、選手はまず、「様子を見る」と思います。その監督がすごい選手や監督だったとしても、翌日から始まる練習の中でどういう発言をするのか、どんな考え方なのか、信じられる人なのかなど、監督の表情や一挙手一投足も含めて、選手はさまざまなところで「様子を見て」いる…」
うーん、冷静沈着な竹下選手が言うと非常に重い言葉に聞こえますね(笑)。
でも眞鍋監督は選手たちの眼鏡に叶ったということですから名監督なのでしょう。
一般に置き換えると、上司はみなこうした「様子見」にさらされているということです。
女子たちに好かれる名上司になるのは、なかなか簡単ではありませんね。
星を一つ落としたのは、それでもやはり女子選手たちのコメントに歯にものが挟まった感が少しあったこと。
それは単なる思い過ごしなのか、はたまた女子部下の男子上司に対する建前からなのか…。
ぜひ読まれた際にはそのあたりの微妙な空気感をジャッジしてみてください。