アドベンチャーゲームのサブカテゴリーに位置付けされる「サウンドノベル」の
ジャンルを確立した作品として非常に意義深いソフトである。
サウンドノベルでは、プレーヤーは画面に表示される文章(小説)をボタン1つで進めながら読んでいく。
途中に現れる選択肢から主に自分の行動を決定することができ、それによって先のストーリーが変化することもある。
繰り返しプレイすると選択肢が増えている場合もあり、様々なルート、エンディングを探し当てる楽しみがある。
BGM、効果音が臨場感を生み、プレイヤーの想像力を刺激するが、
グラフィックは(ハードの制約もあるが)最小限に抑えられ、
想像の幅をむやみに制限するような必要以上の情報は与えられない。
このあたりが書籍の小説や一般的なアドベンチャーゲームと異なっている点である。
本作の脚本は長坂秀佳氏。
ホラー作品の良作だが、ストーリーの面白さ、演出、音楽、マルチシナリオとしての整合性などを含めた
総合的な完成度は「かまいたちの夜」の方が上であるように感じる。
「弟切草」は、どれを選んでも先の文章が変わらない選択肢もあり、話の流れにもやや無理のある部分が見られる。
「サウンドノベル」のジャンルを確立した作品ではあるが、
このジャンルの形を完成させたのは「かまいたちの夜」であると考えてもよさそうだ。
グラフィックなどの点で進化したPS版も発売されているが、
その進化ゆえに「想像の幅が狭まった」とする批判も多いようだ。