何年か前、ふとしたことで飛び込んだチュニジアにとりつかれ、以来その魅力を撮り続けている写真家・高田京子の第2作、詩人・高田京子のデビューでもあります。
砂漠の宝石とでも形容したくなるような美しいこの国の、紺碧の地中海に映える白亜の家々、一見単調とも見えるその家々には実は、趣意をこらした扉が構えられています。それらの扉はあたかも城郭の門のごとく灼熱の外気や世の喧噪を閉め出すかのようにも、また訪う人を神秘の宇宙へといざなうかのようにも見えます。
この詩・写真集を手に取る方々は、見事に写し撮られた多彩な扉とそこに添えられた短い詩句に導かれ、しばし深遠の世界を楽しまれることでしょう。時節がら一服の清涼剤としてもお薦めです。