「子どもたちにとっても親たちにとっても宝物のような本」――スティーヴン・キング
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ある唄にはコミカルでユーモラスな、またある唄には不気味でブラックなと、眺めて楽しく、時にぞくっとさせられたチャールズ・アダムスの絵の数々。マザー・グースの不条理でダークな世界が、ウィットの利いた遊び心で表現されています。
塀の上のハンプティ・ダンプティが下に落っこちて、さてどんなことが起こったか?
丘の下にひっそり住んでるばあさんの周りで、果たして何が起きたのか?
バスケットに入って空に投げ挙げられたばあさんは、一体どこまで飛んで行ったのか?
マザー・グースの唄から自由に空想の翼を羽ばたかせ、時にはぴりりと諷刺の刃をきらめかせるチャールズ・アダムスの絵心。リズミカルに韻を踏んでゆく山口雅也さんの日本語訳と相俟って、これは素敵な魅力を湛えた一冊だなあと思いましたよ。
余談ですが、本書のまえがきに名前が出てくるクリストファー・モーリー、この本が世に出るきっかけを作った人。彼のエピソードがエラリー・クイーンの『クイーン談話室』で紹介されていますね。そう言えばクイーンのミステリに、マザー・グースの童謡をモチーフにした作品がありましたっけ。山口雅也さんもきっとお好きだろう『靴に棲む老婆』。時を超えて結ばれる本と人との繋がり、見えない糸のようなものが感じられて、なんかいいなあと嬉しい気持ちになりました。
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