イタリアのビル・エヴァンスとも称されるエンリコ・ピエラヌンツィの国内物の再発盤。
1997年3月 NYで録音。Enrico Pieranunzi(p), Marc Johnson(b), Joey Baron(ds).
冒頭曲 "Thiaki" を聴いてほしい。
クラシカルな左手のアルペジオ、バロック風の装飾音を多用したメロディライン。飛び交う蛍のようなピアノの音の、なんと浪漫的なことか。めまいを催すような、めくるめく音の宴。今までになかったジャズピアノの表現に違いない。2曲目や5曲目も同様の表現であり、これはピエラヌンツィ得意のパターンと言ってもいい。ピアノトリオとしてのコンビネーションも最高だ。
このアルバムは国内プロデュース作品ながら、スタンダードナンバーを控えめにしたところも良い。エヴァンス作品 "Very Early" や Lennon/McCartneyの "Fool On The Hill"(これはソロ)も面白いが、なんといってもピエラヌンツィの魅力はその華麗なオリジナル曲にある。とりわけアルバム前半は、これでどうだと言わんばかりの美しい曲が並んでいる。
後期エヴァンス・ファンにもオススメしたい一枚。